世界の格差を疑似体験 「貿易ゲーム」

開催日時:令和4年5月13日(金)6・7時間目
場所:九里学園高等学校 AL教室
参加者:プログレスコース1年生17名・2年生16人・3年生24名

[活動内容]

「世界がもし100人村だったら」ワークショップに引き続き、世界の格差を体験的に学ぶために「貿易ゲーム」を行った。グループごとに分配された資金と、紙、道具(ハサミやコンパス、定規など)を使って、図形に切り取った製品を作ることを指示された。切り取った図形を販売して、できるだけ多くのお金を稼ぐのがゲームの目的。
しかしグループごと最初に用意される資金や紙の枚数、道具の種類が違っており、あるグループは、豊富な資金と道具を使ってたくさん製品を作ることができる。また道具があっても、紙がないグループや、紙があっても、図形に切り取るためのハサミ(道具)がないグループなどもある。道具がないグループは、人手をほかのグループに提供して稼いだり、紙しかないグループは、交渉して道具を借りるなど、それぞれのグループで工夫しながらゲームを進めた。途中、図形の値段が変わる、新しい図形が取引されるようになる、また特定のグループにだけ有利な情報が流されるなど、市場の変化に対応することも求められた。
最後に、紙や道具が、資源と技術を表していることを確認した。またグループごとに稼いだ金額を発表。貿易ゲームを通して、世界の格差を疑似体験し、新しい気付きや発見があり、また世界の格差問題を自分事として体験することができた。

配られた資金と紙(資源)・道具(技術)を確認する。 豊かなグループと貧しいグループでは、最初から配布される紙の枚数が違う。

配られた資金と紙(資源)・道具(技術)を確認する。 豊かなグループと貧しいグループでは、最初から配布される紙の枚数が違う。

資源(紙)が少ない国は、資源が豊富な国に交渉に行く。

道具(技術)や材料(資源)が豊富な国は、すぐに製品を作り始める。

資源が少ない国は、資源が豊富な国に交渉に行く。

道具がない国は、型を使って製品を作るなど、それぞれ工夫する。

完成した製品をマーケットに売りに行き、お金をもらう。

マーケットでは製品の品質をチェクされる。道具を持たない国は品質が良くないために、 マーケットで買ってもらえないこともある。技術力(道具)がある国とない国の格差を実感する。

資源が豊富な国は、高価な製品をたくさん作ることができる。

途上国にはNPOから支援が入る場合もある。その支援を使って、豊かな国と交渉する。

制限時間最後にマーケットに製品を売りに行くが、得意先の先進国が優先されて 途上国は製品を売ることができなかった。ここでもマーケットでの対応の差を感じた。

最後に稼いだお金を数える。最初から資源が豊富な国は、たくさん稼ぐことができた。

貿易ゲームを終えてみて、それぞれ気付いたことをグループ内で振り返る。

グループ内で話し合ったことを、全体で発表する。

[生徒の振り返り]                                   

  • 100人村の時に [チョコレートを多く配られたところは少ないところに配る」という意見が出て、私もそう思っていたが、実際にそれを行うことは簡単なことではなかった。 私たちの班は交渉を上手くできずあまりお金を稼ぐことが出来なかった。なるべく自分にも相手にも得になるよう交渉をすることが出来たらいいと思った! 資源もお金もあったが、資源があまりなくお金が少ないところの方が多く稼いでいて、資源やお金の量によって決まるものでは無いと思った。 また、いかに正確に作業をするかでも区別されると感じた。
  • 前回の100人村で、先進国が貧しい国に分け与えればいいと言う反省があったのに、今回、自分たちの利益だけを考えてしまい、平和的かと言われたらそうではないと思った。実際交渉に来た人を断ったりして、貧しい国担当の人達への気遣いができていなかった。これは今の世界でも言えると思う。みんな平和を望んでいるのにそれがかなっていないのは、どうしても自分たち中心に考えてしまい、他への配慮が行き届いていないからだと思う。今後SDGsを達成するために、必要になってくると思った。
  • 今日の活動を通して、発展途上国は先進国に従っていて、先進国が上の立場のようになっていると感じた。 自分のチームもお金がたまってくるにつれて他の国の交渉なども受けないようになってしまい自分の得を考えてしまう部分が多かったと思う。 上手く付き合うためには交渉内容や信頼性なども大切だと感じた。 いくら資源があったり、技術があったりしても、それが上手く合わさなければいけないので、そこをいかにうまく進めていけるのかがこれから必要だと思う。
  • 元々の出だしが良くないとその後に全部影響する。例えば、いち早く産業革命が起こったヨーロッパなどはどんどん発展してるし、皮肉にも戦争のお陰で日本もこうやって発展したのかと思う。やはり自分達のことだけで精一杯で周りの国にどうしても目を向けられない。先進国は内部や他の先進国と刺激し合って発展出来るが、途上国はお金も資源も何もないからどうしようもなくてどんどん置いてかれる。僕らが支えなければいけないのにお構い無しで自分達が良いようにしてるので環境問題にも繋がる。このように客観視出来ないために、こういう世の中になってると思う。
  • 今回の貿易ゲームを通して、貿易の難しさを知ることが出来た。発展途上国が先進国と交渉しようとしても、お金や資源が無ければ相手にしてもらえなかった。資源があってもそれを使う技術がなければそれを扱えないことなど、様々問題が見えてきた。資源の枯渇なども理由で戦争が起きているのかもしれないと考えた。
  • 私はA班(もっとも豊かなグループ)だった。より多くの資金を集めるために、計画的に行こうとしたが、他の班よりも集めることができなかった。最後の話し合いで、100人村を思い出したが、稼ぐために安易に道具やお金を分け合うということはできなかった。どうしても、分け合うことはできないのではないかと思った。それは、生きるためにはお金が必要で、いくら多額の金額をもっていても、一番の支えとなるお金は譲れないからだ。今回のゲームで材料となる紙やハサミなど道具類はシェアし合ったが、お金とのシェアはごくわずかの金額だった。 このゲームを通して、何故世界の経済にかなりの差ができるのか、また、経済を上げるためにどういった判断をするかなど、学んだ。
  • 貿易ゲームを振り返って、他の班と交渉する際に、相手にとって不利な取引になった事があったのではないかと感じた。班の中で1番多く出た意見は周りの状況をあまり見れなかったという意見だった。国によって経済、教育、情報格差があるのは、こういう風に他国の状況や様子に気を配ることが出来ないことから起きるんだと実感した。
  • 交渉しても簡単には貸して貰えない。同等に価値があるもの、またはそれ以上のものを提示する必要があった。高い値が付いているものを生産していても需要が無くなればすぐに値段は下がり製品の価値はなくなってしまう。1つのものを全員で作ってもムダ、バランスが大切。意味の無い支援(クリップ)に困惑されられる事も分かった。
  • 自分の国には資源もお金も技術もなくて他の国から借りるしかなかった。その交渉の途中などで相手とトラブルが起きてしまったら道具を返さなければならないので、相手に従うことしか出来なかった。自分たちの国が段々お金を持ってくると、他の持っていない国との交渉が少し一方的になって、貧しい国に目を向けることがなくなってきた。
  • 先進国として活動してみて交渉や自国の利益を増やすので精一杯な感じがした。また時間があっという間に感じた。去年は1番と言っていい程貧しい国を担当して、他の国は先進国との交渉や出稼ぎをしていたが自分たちのグループは孤立していた感じがあった。今回の活動では世界の表裏を体感できた。また今回稼いだお金のほとんどが軍事費などにあてられると考えると世界はまだ互いに敵対意識を持っていると感じた。若者の世代を考えると日本に憧れている人なども多く見られ世界はグローバル化に近づくのではないかと思った。だがしかしこれは表の話で、部分的に世界の関係を見るのでなく全体として捉え、置いてきぼりの国をひとつも無くし、文化やこれまでの歴史が違いにせよそれを分かち合い、表裏一体として互いに助け合って行く必要があると思った。
  • 私たちの班はハサミやコンパス、定規など技術が多く入っている先進国だったので、技術を持っていない発展途上国の人が沢山私たちのところに集まってきて交渉をした。しかし自分の班の利益を考えると、自分たちの有利になるような交渉にしか耳をかしていなかった。このようなことが先進国と発展途上国の間でも行われているんだと感じた。またマーケットでも、発展途上国の班は少し形がズレているだけでも売ることができなかったが、私が行ったときには少しのズレくらいは許して取引をしてくれた。さらに店に列ができた時には先進国の人は優先的に列の初めに行くことが出来た。このような差別的なことも行われているのかと考えると悲しい気持ちになった。 先進国の支援になかなか回せないという気持ちもわかるし、発展途上国に情報が届いてなかったり、技術がなくてなにも出来ずにいる現状も体験出来た。
  • 100人村で学んだように、軍事費にはお金をかけられるけど、教育にはかけられないなど、結局先進国は自国の利益が最優先であることを改めて感じた。 有益な情報がまわってくる先進国は発展していく一方で、まわってこない途上国はさらに貧しくなってしまうことに気づいた。
  • 私が担当した国は、資源が沢山あったが技術がなかったため自国で生産することが厳しかった。そのため思うように行かなかった。資源を交渉の材料として使用したが、先進国の交渉に押されることが多かった。資源と技術の価値を比べると技術の方が高いので、自国の利益が少なくなってしまった。また先進国から嘘の情報を流されてその情報をうのみにしてしまい資源が無駄になってしまった。また技術を求めてマーケットやNGOに助けを求めたが多少の支援しか得ることができなかった。また全体のまとめとして他の班がNGOからクリップを貰っていたことがあり、NGOとしては意味のあることをしたと思っていても支援された国は使い方を知らなかったため支援国のニーズに合わせて支援することが大切だと感じた。
  • 私は発展途上国を担当した。途上国はお金も資源も技術もないためお金を稼ぐには先進国に稼ぎにいかなければならなかった。それでも他の国と比べると十分なお金を稼げなかった。こういったことが現代での児童労働や子供が学校に通えないなどの問題に繋がっているのだと気づいた。また、援助としてクリップを渡されたが使い道が分からなかったため何の意味もなかった。先生に後からクリップの意味を聞いたらクリップ自体はゲームにはなんの関係もなくてこれは発展途上国が必要としている援助をしっかりできていない現状を表すものだと教えていただき納得した。私はこれで貿易ゲームは最後だったが、3年間で先進国、開発途上国、発展途上国とすべての国を担当できたので良い勉強になった。

 

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