公開授業「2校合同模擬国連会議:世界食料安全サミット」

開催日時:令和4年11月4日(金) 2~7時間目
事前学習:令和4年10月24日(月)「未来の食料問題・未来の食料消費について考える」(オンライン)
講 師:五野日路子先生(東京農業大学 助教授)
準備授業:令和4年10月7日(金)・10月14日(金)・10月28日(金)6・7時間
場 所:九里学園高等学校 センターホール
参加者:プログレスコース1年生17名・2年生16人・3年生24名 / 新庄東高等学校生徒11名

【内容】

新庄東高等学校と合同で、模擬国連(世界食料安全サミット)を行った。事前学習として、「世界の食糧事情」の授業や、東京農業大学の五野日路子先生を講師に迎えて、オンラインで「未来の食料問題・未来の食料消費について考える」の授業を受けた。

授業で学んだ内容を参考にしながら、担当国の農業に関する状況、土地・水資源、バイオ燃料、食品ロスなどに関する政策を調査して、模擬国連に臨んだ。

模擬国連当日は、ロールコース、フォーマル・スピーチから始まり、6回の非着席コーカス(アンモデ)が行われた。国を代表する大使として、生徒たちは自国の枠組みを提案し、様々な国との話し合いをしながら、賛同を得られるように交渉を進めた。

最終的に、サウジアラビア、オーストラリア、アメリカ、インド、ドイツが提案したが、どれも可決されなかった。最後に、米沢市SDGs参与の伊藤夢人氏より講評をいただいた。

九里学園プログレスコース食料問題模擬国連

「世界の食糧事情」について学習する。

担当する国の農業や食料政策について調べる。

担当する国の農業や食料政策について調べる。

ポジションペーパーをまとめて、模擬国連の準備をする。

ポジションペーパーをまとめて、模擬国連の準備をする。

自国の枠組みを紹介して、賛同国を集める。

自国の枠組みを紹介して、賛同国を集める。

自国の枠組みを紹介して、賛同国を集める。

自国の枠組みを紹介して、賛同国を集める。

様々な国と交渉する。

様々な国と交渉する。

様々な国と交渉する。

様々な国と交渉する。

各国が最終提案を発表。

各国が最終提案を発表。

各国が最終提案を発表。

各国が最終提案を発表。

各国が最終提案を発表。

提案に賛同する国は、プラカードを挙げる。残念ながら、可決された国がなかった。

 

[生徒の振り返り]

  • 自国の政策についてペアの人と話し合い、政策についてもっと調べあげないと思った。
  • 政策を取り下げてからは、様々な国に話を聞きに行き、多くの人と話し合いができて良かった。
  • 今回は事前交渉も可能だったのでそういったものも利用すれば良かったと思った。
  • 国同士の難しい関係を考えながら自国にとってどう利益があるのかを考えるのが大変だった
  • 今回の模擬国連ではザンビアを担当した。ザンビアは案を提案した訳ではなく、色んな国の案をみて自国に利益があるかどうかを考えた。様々な国の案があってとても楽しかったが、もっと自国について理解していれば、提案に反対案や、改善案を提案できていたと思う。自国の理解が足りなかったのが反省点だとった。来年の模擬国連では自国を知ることと、周りの国にどんな影響があるかを考えて行動できるように頑張りたい。
  • 利害関係の衝突があり、国際益になるにはどうしたらいいか考えるのに困った。自分から提案をすることができなくて、聞いてばかりだったように思えた。次の模擬国連では今回の反省を活かして自分から制作を提案したり、提案をしたい。
  • 前回の国連弁当の反省を活かして、今回の模擬国連では深く調べることができた。また、こんな時はどうするのかなど質問をすることができた。でも、自国とはあまり関わらない政策があり、その政策について、要望や意見を伝えることができなかったので、次回に活かしたい。
  • 自国の利益と同盟国の利益お互いがよりよいものになるように考えるのがすごく難しかった。
  • 自国のことも他国のこともよく知り、政策を考え、提案することが大切だと感じた。自国、他国の利益を踏まえてより良いものにしていけるように来年頑張りたい
  • 国同士の利益を合致させて意見をまとめることの難しさを実感した。今回は自分から参加することが少なかったため、次回する時はもっと積極的に参加することを意識していきたい。また、自国について詳しい政策を調べたり、他国との関わりを沢山調べてから模擬国連に取り組むことで、活発な議論にすることができるのでそういう所まで意識を向けて取り組んでいきたい。
  • なかなか他国に話しかけることが緊張してできなかったのと、他国への政策の説明がうまくできなかった。来年度は、先輩方の姿を見て、後輩達を引っ張っていけるよう頑張りたい。
  • 今回の模擬国連を通してあらためて自国の利益を考えながら進めていくことや、自国の情報を把握しておくことが大切だと感じた。前回の国連弁当よりも、一つ一つの提案に理解しながら聞くことは出来たが、疑問をもったり、自分からの発言がなかなか出来なかったので、次の活動からはもっと疑問や自分の考えを持ちながら活動に参加していきたい。
  • 自国の政策だけを考えて国内のことをもっと調べておくべきだった。また、他国の政策だけを聞いただけだったので、カンボジア大使館としての責任を持って、意見を言うべきだった。
  • 自国の利益を考えるあまり、双方に利益があるように考えられなかった部分があったのでそこを改善出来るようになりたい。
  • 自分から積極的に行動が出来なかったのでそこを頑張りたい。
  • アフガニスタンとして栄養失調や飢餓について参加した。アフガニスタンからフォーマルスピーチをして先進国や途上国を巻き込んだほうが話は進むはずだとは思ったが、自国の資金や権力によりどう対応していけばいいか分からなかったので、次回はそいうことも考えて動けたらなと思いました。また、賛同して終わりではなく、自国のために動くために他国を巻き込んで賛同してもらうことができたので、そういったところにおいて前回の模擬国連を活かすことができた思う。
  • 途上国としての問題点をしっかり自分達から発信していくべきだと感じた。
  • 前回の国連弁当の時は自国の利益ばかり考えすぎていて、全体のことを考えれていなかった。そのため、今回は全体の利益にも重点を置いて模擬国連に参加した。しかし、逆に自国のことが後回しになってしまうことが多くあった。大使として国の利益を第一に考えなければけないことに気づいた。例えばインドの提案していたキャップアンドトレード。全体で見れば削減目標の基準を低く設定し、食料廃棄を減らすことが良い事だ。しかし、自国の利益として考えると食料廃棄が多いイギリスにとっては不利益が大きくなってしまうので賛同は出来なかった。自国の利益と全体の利益のバランスをとった納得解を検討していくことが重要だと思った。また、今回の模擬国連は昨年までとは違い、市場が論点となった。関税や輸出規制などの話は途上国と先進国の支援、技術提供とは違い仕組みを理解することが難しい。関税が低くなったら市場や国の産業はどうなるのかなどそういった知識をより知る必要があると思った。
  • 全体としては、政策や利益を重視しているというよりは、なんとなくで賛同するかどうかを決め、それが故に意見が割れたのだと思った。
  • 個人としては正直、今回の模擬国連は何も分からず、ずっとぼーっとしてしまっていた。ペアの人とも分からないことを質問できず、無理して会話を繋げる場面が多かった。やはり恥を捨ててでも勇気を持って言いたいことをいい、意思疎通することが大事なんだと改めて考えさせとても反省した。
  • 制作の表上だけ聞いているといい政策だと思うけど突っ込んで見たり、質問してみたりするとなんか違うなと思うところが多々あった。
  • また、自分達は政策する内容を深堀して調べていたけど、それだけだと他国の提案に対して、自国がどの立場に立てばいいかわかららくなってしまったので自国のことをもっと幅広く知らないといけないとおもった。
  • ドイツのHVO燃料が採決されると、インドネシア側からすると利害関係が衝突してしまうことになるため、ドイツと条件などについて話し合った。
  • 実際に話し合いをした際に、自国はどんな条件があれば利益が下がることなく自国の経済も守れるか考えるときにすぐに答えが出なかったので、妥協できない部分についてもっと調べておかなければいけないと実感した。次回の模擬国連ではこういったことも踏まえて、ただ自国でとられている政策などを調べるのではなく、さまざまな国と交渉する際に何が使えるかなども考えてから臨みたい。
  • 輸出や貿易、フードロスという観点で食糧問題について議論した。今回は各国の提案について自国の利益を考えながら他国と話し合いました。初めは一見良さそうに見える政策でも時間が経ち議論を重ねると本当にメリットがあるのか、考えさせられた。いろんな国と話し合って様々な面から考えられた。
  • 自分の国益を一番に考えていたが、国益だけでなく自国に生じる不利益を考えるのに頭が回らなかったので、来年の国連では利益だけでなく不利益も考慮してほかの政策を見ていきたい。
  • 今日の模擬国連で、もっと色々な国の文化や国柄を調べて、提案した政策に問題が生じた時に臨機応変に対応していくことが大事だと思った。それに加えて、どう変化させていくかが難しかったので、そういう面でも多くの国と関係を築いていかなければならないと思い、学びに繋がった。ドイツ大使としてペアの人と活動していく中で、自分には思い付かないような案や意見の結びつけ方などさまざまな場所でハッとさせられた。今回出た学びを更に発展させ、来年成長したと実感できるように力をつけていきたい。
  • 今回の模擬国連は、全体的に自分の学習に対しての意識の甘さを学べた。
  • 去年の模擬国連では3年生に任せっきりのような状況になっていて、それで今回任せるのではなく協力して学習するという形で、自分はグローカル、SDGsについての学びが浅く、甘いものだと分かった。
  • 来年は最高学年として自覚を持って学習し、他学年の人に迷惑をかけたり、適当なものにならないように事前学習や、本番での積極性をもっと持つ必要があると思った。
  • 飢餓を本気でなくしたいならもっと厳しい政策が必要だ。
  • 提案をしている国の政策についての話を聞いていく中で、ただ聞くだけでなく、自国のメリットや利益を考えていくことが大事だと思った。
  • 自国の大使館として責任を持ち、自国のことについて知り、安直に答えを出さず、納得をするまで交渉することが大事だと思った。
  • 政策をする側として初めて模擬国連を経験した。ドイツ語を翻訳しながら本気で情報を集め調べ学習については良い学びをできたのではないかと感じた。しかし実際に政策に賛同を得るためには直接話した国など以外からの賛同がなく政策を進めながらも自分たちの話したい国と交渉する行動力も大切だと感じた。またメンバーがいるにも関わらず1人で交渉を進めた場面が多かったので意見を共有しながら自分の意見の整理や新たな視点を得る機会を増やしていきたいと思った。
  • 今回の国連では政策の提案の段階ではいい提案だと思ったけど実際に聞きに行くと疑問点や目的に合ってないなと感じた。農業大国であることとメリットを使った賛成はできた。1人あたりの廃棄量などは見ているデータや年によってかなり差が出ていると感じたのでデータを使った政策は統一させるのが難しい。
  • 政策を考える時に、定義づけが無いと、自分が賛同することが出来なかったりしたので、言葉ひとつでもどういう定義があるのかをきちんと伝える必要がある。また、自分ではどこに賛同するかばっかりを考えていて、他の国の政策が可決されたら、自分の国が厳しくなってしまうことを考えていなかったので、後で他の国の人と話して、そこを発見し、あとから自分から話に行くことが出来たので良かった。
  • それぞれの国に理解できるように説明すること。そして、仲間を増やしていくことが必要なこと。義務感が強いと国連では通らないので、努力規定にして義務感を弱くし、人を集めいていくことを国連に実際に参加している方からアドバイスいただけたので、また模擬国連に参加できる機会があるときには、そこを注意してのぞみたい。
  • 自分で発議し、様々な国と話したのを通じて国同士の利害の均等をどう保つか悩まされた。
  • やはり片方の利益を考えるともう片方をないがしろにしてしまい全員が満足出来る結果とはならなかった。実際の国連の場に置き換えて考えてみると更に力の強い国の影響力が働き理不尽な決定がされていってしまうのではないかと思った。
  • 昨年と比べると発案をし、中心となって議論を進められた点は自分自身で成長を感じらた。
  • 食料問題の解決と国益を考えながら、政策を考えることの難しさを学んだ。
  • 最初はオーストラリアとして提案して、まずいる意味があるのかと言われた時は足元をすくわれたようだった。資料を元に政策を考えて議論を交わした時に客観性をもう少し大事にするべきだった。最終的に初めのものとは変更されましたが上手く提案にはなったのではないか。実現可能性をもっと話し合って決めたかった。新たな視点をくれた人にも感謝したい。
  • 食料廃棄の問題を考える上で具体的な数字(ボーダーライン)を決めるのに大変苦労した。容易な目標なのか、困難な目標なのかが国ごとに違うからだ。さらに数字のトラックというものに興味深いと思った。2%の利益を得るという言葉は一見大した数字ではないと思ったが、冷静に計算すると、莫大な数字であることが気づき、びっくりした。リアルな数字を見極めるということが重要だと感じた。模擬国連を通して一つの事柄に対してさまざまな視点で物事を考えられたので自分の思考能力が一段階上がったと思う。
  • 今回は初めて提案をしたが、うまくいかなかったことに悔しかった。途中、議長や他国からのアドバイスをいただき参考したが、納得のいかない形で終わってしまった。今回ので最後で、提案を最後までもちこめなかったが、はじめて提案をして自国を意見を発信できたことに成長を感じよかった。
  • 自分の担当した国に関しては、食料自給率が300パーセント以上、水資源も豊富で、生産量・輸出量も世界の上位に位置していること、メルコスールに属していて輸入の条件もよく正直なところ不自由が無く何もしてなくていいくらいの国だった。今回の自分の立ち位置としては国益を失わずに、特に国際益を最優先とし世界の食料安全保障を2030年までに達成できるように他国の提案した内容などに質問をしたり批評をした。その中で関税の話が出た際にはEUの貿易摩擦の例を上げたり、提案の中にあった食料自給率の高い国に対して関税をあげることによってフードロスが増えてしまう?など色々なことを考えながら討論した。しかしながら自分達が話し合って時に違う場所ではドイツのバイオの話などが上がっていたりと自分の話していない場所で話が進んでいたりしていたことに中々気付くことが出来なかったなど反省点も多くあった。自国にとっての利益などは無視した発言をしたが、このままではドイツのバイオエネルギーが完全にこのまま採択されてしまうと石油を主な輸出品として輸出している国(ロシア)などに不利益しかないと思ったのでロシアに対して働きかけることができたのはよかった。オーストラリアの政策案を見て国益を優先するばかりで他国から批判されるような内容になってしまっていることだったりをもっと建設的な内容で国連に変えられればよかったなと思った。先生の最後のお話を聞いた際に自分の立場がほとんど批判的な立場になっていて知性という点では明らかに劣っていたなと反省した。この模擬国連を通して多角的な面から議論する力が入学前に比べてぐんと伸びたことと、積極性を持って話をできるようになったことが自分でもすごく実感出来た。九里のプロに入ってから人前で意見を言うことを臆することなく出来るようになったかな、とすごく感じていて嬉しい。この学びを生かして勉学に励んでいきたい。
  • 今回はインドの話し合いに1番長くいた。自分の国では食料廃棄量が多く、解決しないといけない問題だからこそキャップアンドトレードの政策に加わって削減しないといけないと感じた。そして廃棄量が多いからkg換算でトレードになると自国には無理があり税ばかりを多く払わなくてはいけなくなるので二酸化炭素のトレードと同じように%に直してもらえるよう交渉をできた。しかし今回の話し合いで1番の国益を深く考えきれてなかったと反省した。もっと国益がでるにはどのような案だといいのかさらに考えていく必要があったと感じた。
  • 市場に安定的に出せるような提案をしたいという思いがあっても、自国の利益だったり、南米全体の利益だったり、世界全体の利益だったりを考えた時に、それは果たして利益になるのかという部分が難しくなかなか形に出来なかった。しかし、色々なところで、自国の利益のために交渉をしたりできていたなと思う。もっと積極的に話を出来れば良かった。
  • 自国としての利益ばかり考え、賛同していたが政策としてデメリットが多く働いてしまう国が現れてくる中でどれだけメリットを生み出し、デメリットが多く働いてしまう国にどのように納得してもらうか、どうアプローチしていくかを考え行動するのが難しいと感じ、全体を見る力が足りないとも感じた。
  • 前回の模擬国連では国連弁当で、自国の食品を弁当に採用してもらうだけの模擬国連だったが、今回は自国の利益と輸出規制などを踏まえながら他国の大使と相談した。しかし、政策の中で、途上国だけにメリットが偏ったり先進国だけがデメリットを受けるなどの今までの国連ではあまり起こらなかったことが起こり、混乱する場面があったがチーム内でなにが自国に大切なのかを話し合い、他国と政策を練ることができ、高校3年間で1番良い話し合いができた。
  • 自国を代表することは、自国と他国を基本情報から関係まで知ること、責任が伴う分、本当に利益があるのかどうかを考えること、相手の提案を理解することらの大切さを学び、発表でも言った。提案の事実をしっかり知るべく質問をして、自分の国を守るために、課題を解決するためにどうすればいいかを自分から考えようとすることが出来、話し合いによる代表としての、そして自分自身の価値も感じた。
  • 各国で目指しているものや求める利益が違うため、交渉の段階で元々の政策提案と違う形になったり、国同士の関係も絡んできているので話すのが難しかった。
  • 時間が限られた中で、一つの政策を理解するのに時間がかかって、すべての政策についてよく理解することが出来なかった。政策の意味や本質を問い、時刻の利益について踏まえて話をできたが、その政策をよりいいものに向上させることにはあまり貢献できなかったと思う。過去の模擬国連と比べると積極的に討論に参加し、その政策について深く考えることができたと思う。
  • 外交面で考えて、イランという国はどういう動きをすればいいか難しい国だと感じました。提案国の内の二か国がイランとは外交上で賛同しにくい国であったので、どうやって他国と連携していけばいいのか難しかった。結果的に、自国にとってメリットを感じた国はあったけれど、2030年まで食料の安全保障を担保できる国はないように感じたので賛同を見送りにした国もあった。しかし、自国が提案したところで外交面でうまく諸外国を巻き込めないと決めつけてしまった部分があったので、可能性を潰してしまったということに関してはよくなかったのではないか。そして、どの提案も自国の利益を求めすぎているなと感じたので実際の国連の場でも、そういったことも念頭に置いて議論していかんなければいけないということ学んだ。

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