ワークショップ「いろいろな環境と人権問題~違いの違いから考える」

ワークショップ
「いろいろな環境と人権問題~違いの違いから考える」

日時:令和3年5月28日(金)
対象:1~3年生

[活動内容]

「カカオ農園」ワークショップを振り返った後、様々な違いが書かれたカードをグループに配布し、これが許せる違い(あってもいい違い)か、許せない違い(あってはいけない違い)か、どちらでもない(自分たちでは判断できない)かを話し合い、カードを振り分けた。

写真1:様々な違いが書かれたカードを読み上げて、「許せる違い」・「許せない違い」・「どちらでもない」をグループで考え、振り分ける。


その中で一番取り上げたいカードを一つ選び、なぜそれを選んだか、どういう問題があるのかをグループで話し合った。

写真2: 一番気になった「違い」カードを一つ選び、ウェビング手法を使ってキーワードを書き出す。


そこで取り上げた「違い」のカードから、ウェビング手法を使ってキーワードを書きだし、それぞれのキーワードに関連するSDGSは何かを考えながら、目標カードを置いた。

写真3: 書き出したキーワードに関連するSDGs17の目標カードを置いていく。


その後、各グループで取り上げた「違い」のカードとそこから書き出したキーワード、関連するSDGsについて、ワールドカフェ方式で発表を聞いた。

写真4: グループごとに取り上げた「違い」とそれに関連するSDGsについて、ワールドカフェ方式で発表。


グループに戻ってから、気付いたことや発見をみんなで話し合い、改めてカードを振り分けてみた。

写真5: 各グループの発表を聞いた後、気づきや発見をシェアし、再度グループでカードを振り分けてみる。

[生徒の振り返り]

設問1  ①あっていいちがい②あってはいけないちがい③どちらとも言えないちがい。を分けてみて、気づいたことや学んだこと、感想を教えてください。

  • 私はストライキを起こすことは個人の自由だと思ったのであって良い違いだと考えたが、グループ内では地球温暖化問題がなければグレタさんがストライキを起こす必要も無いという意見が出た。私たちと同じ子どものグレタさんがなぜそのような行動を起こしているのかまで考えていなかったので、どこに視点を置くか、各方面から見ることで新たな問題が見えてくると思った。
  • 人によってあっていいか、あってはならないか違った。特に、グレタさんの話とゴミ山に住む少女は本当に幸せなのかと言う話については班のなかで議論が分かれた。判断基準や価値観は様々だが、日常生活でこれは本当に普通なのかと物事を批判的に見る力を養いたいと感じた。そして、養った上でまた同じ事を問われた時今より多角的な見方が出来ていたら良いなと思った。
  • どのカードも環境の違いで考えればあってはならない違いになった。しかし、その国の文化や自分の意思で行動してると考えれば、あってもよい違いになった。違いの違いを話し合うほど、混乱した。。
  • あっていい違いは個人の権利が尊重されていたり、服や髪を自由にしたり、国の文化の違い。あってはいけないちがいは環境問題や貧困などによって起こる違いいうことが分った。特に印象に残っているの3と16。3は若い人が政策に参加したり、何かを訴えかけるのは周りに与える影響も大きいのではないかと思ったが、ストライキを起こすほど気候変動対策が大変だったり、大人がもっと考えるべきだという違う視点から見るとまた違った考えになった。幸せじゃないと感じる人がいる時点であってはいけない違いだと感じた。幸せと感じるのは人それぞれの価値観や考え方によって違う。しかし会社や学校で様々な制限をされたり、自分の意見を言えない状況があるから幸せではないと感じるのではないか。フィリピンのゴミ山は法律でゴミを燃やしてはいけないと決められているが、そのゴミを売って生計を立てる人がいること、健康被害にあってしまうことはあってはいけない違いだと思った。
  • 私の班ではゴミ山に住む子と日本に住む女の子の事を話し合った。 ウェビングではその2人の幸福の基準や貧困から病気になり仕事が出来なくなり、また貧困になる負の連鎖などが分かった。
  • ツバルに住む子供の将来の夢がきれいな海の近くに住むことで、イギリスに住む子供の将来の夢が国の大臣になって政治に関わることというカードが印象的だった。ツバルに住んでいる人々は海面上昇によって国が沈んでしまうという問題を心配しなければならない。この問題を引き起こしてるのは私たちを含めた先進国であるにも関わらず、大きな被害を受けるのはツバルの人々。 夢の大きさに違いはあっていいけど、なぜこんなに大きな差が出るのかを考えることが大事だと思った。
  • あってもいい違い・悪い違いは、見る視点によって変わる事を感じた。例えば、グレタトゥーンベリが学校を休んで国会に座り込み、日本人は学校に座り込んでいる、というようなカードがある。ある意見では、グレタは“自分の意思”で学校に行かず、国会に座った。だからこの違いはあっていい。しかし他の意見では、グレタは“地球環境の改善を願う人々の意思”によって強制的に動かされたと解釈できる。だからあってはいけない、とあった。総じて、単に二元論的に分けるのは難しいように感じた。?の枠があったのは救済だった。これらのカードの原因を作ったのは、先進国あるいは発展途上国ではない国々に富が流れている為のように思える。このタイミングでもう一度過去の遺物を見直しできたのは良かった。
  • あっていい違いはとても少なかった。あってはいけない違いとあっていい違いどちらの要素も含んでいるようなカードは、今までの知識があったので選ぶのに迷った。興味を持ったカードから多様性や経済の問題を中心にさまざまな要素を出し合った。その時に、他のカードの問題に結びつくということが自然と話しに出てきたことは良かった。

設問2  ワールドカフェをした中での気づきや発見などあれば教えてください。

  • 私が聞きに行った班は16番のカードを選んでいる班が3班中2班で、どちらの班も16番の問題の違いに対して価値観の違いや、幸福度の違いと言っていた。
  • ワールドカフェで、「日本は平和で安全で設備などが整っているから幸せと感じにくいのかもしれない」という意見があり、実際に自分も考えてみると幸せと感じる事はあまりないと思った。
  • 特に印象に残ったのが、ゴミ山に暮らす幸せな女の子と、日本で暮らす幸せじゃない女の子の話。 2人の置かれている状況は対極的で、幸せとは何なのかをよく考えさせられる課題だった。
  • 1番気になる話題で同じのを選んだ班もあったが、ウェビングで自分の班とは違う考えや、あっていい違いとダメな違いの分け方が違っていて面白かった。
  • グループごとで① ② ③のカードの枚数が違った。考える人によって意見が変わってくるのでそこで学ぶことができた。他のグループの意見を聞いてみると、自分たちのグループと少し違う視点で話し合ったりしていると気づきいた。そのカードごとで何を基準にして考えるかによっても変わってくるのではないかと考えた。
  • 他の班で「歴史」というキーワードがあがっていた。ジェンダー平等は歴史が深く関わっていて、今でもその影響を大きく受けている。何かを変えるには歴史を学ばなければならないと思った。
  • プラスチックは経済としてまわしている人々もいる。だからこそ、それを買うレジ袋等、環境に影響を与えてしまう。そのサイクルがまわっている為、解決は難しいと感じた。
  • 学校をストライキしている子のカードがあり、いい違いなのか判断できなかったが、他の班の「政府が気候変動の対策を早めにとっていればこのようなことにはならなかった」と言う意見を聞いて納得した。また、自分たちの班は女性議員の割合が低いというカードを取り上げた。そこで男女格差が起こっていることに気づき、なぜ男女格差が起こっているのか考えた時、学校などで歴史を学ぶ際、歴史上の人物は男性が多いのでそれも関係しているのではないかと思った。

設問3  その他感想や思いがあれば教えてください。

  • 18の問題カードをグループで話し合ってみて、自分自身だけでは見えない視点からの意見が聞けたのが面白かった。カードの中には、コーランなど知らない言葉や情報があったので、環境問題や文化について詳しく学んでいきたいと思った。
  • 僕達の班では難民を受け入れる体制が国ごとに違うという問題について考えたが、これを通して各国の体制や法律という絶対的決まりというものが難民などといったSDGsに悪影響を及ぼす根本的な原因だと思った。
  • 周りに住んでいるみんなが同じように貧困で、同じような労働環境であれば、例え厳しい生活でも互いに助け合っていけるので、不幸には感じないのではないかと思った。途上国の貧困問題を考えることはもちろん大切な事だが、先進国である中国でも内陸部の貧困問題はとても深刻で、しかも沿岸部との格差を感じてしまうので、この状況下で暮らす人々の方が不幸に感じるのではないかと思った。
  • 色んな意見が、色んな視点からあってとても面白かった。ワールドカフェによって、ほかの班の考えも知れて良かった。
  • いかに地域課題や世界課題を解決するのが難しいかを実感できた。

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