SDGsワークショップ
「SDGsボードゲームでSDGsの理解を深める」
日時:令和3年5月14日(金)
対象:1~3年生
講師:未来技術推進協会認定ファシリテーター
[活動内容]
未来技術推進協会認定ファシリテーターを講師に迎え、SDGsボードゲームを体験するワークショップを開催した。
ワークショップの目的は、自分ごととして興味を持つ社会貢献を見つけ、将来に向けて自分なりに社会で役立つように成長するための目標を意識することである。
講師から、SDGsの17のゴールとそのターゲットの説明、日本のSDGsの達成状況などについて講義を受けた。
自分たちの行動も世界とつながっており、「地球にやさしい」せっけんを使うことで様々な問題を引き起こすことがあるなど、思わぬところに「リスク」や「可能性」があることも学んだ。
ボードゲームでは、「経済」「社会」「環境」のミッションがあり、ミッションカードの課題と解決策に取り組みながら、スコアを上げてSDGsの達成を目指す。
ゲームの中で多くの活動事例に触れ、プレーヤー間で協働することで、SDGsへの理解を楽しみながら深めた。
[生徒の振り返りまとめ]
設問1 ゲーム中に感じたこと、気づき、発見、または印象に残ったことを教えてください
- これらのカードを活用することで、今解決出来ていない問題も自分達の努力次第では解決に繋がっていくと思った。
- 自己投資をしながらあらゆる問題を解決するのは金銭的に難しいと思った。また、1つの問題を解決するためには、別の問題を悪化させてしまうこともあり、なかなか上手くいかず難しかった。
- メンバーの多くが自己投資を行い、コストのかかる活動ができなかった。これだと全く目標が達成できないと思い、途中から自己投資を少しにして目標達成のために活動した。多くミッションをクリアすることで、より多くの利益を得られた。これは社会でも言えるのではないかと思った。
- バランスを取りながら、うまく世界の問題を解決していく難しさを感じた。また一つの問題によっては莫大なお金、時間、協力、が必要になってきて、様々な影響を及ぼすということ。
- ひとつの問題を解決しようとすると新たに違う問題が出てしまうなど、ひとつの側面から物事を考えてはいけないと思った。また大企業などは利益を求めるだけではなく、今回のゲームのコラボレーションのように、社会の問題に目を向ける必要があると思った。
- ひとつの目標にプラスされても他の目標でマイナスになってしまうような内容は、悩ましい選択だった。SDGsは、経済面でも余裕がないと行動する上で難しくなる為、ゲーム中お金の使用をどのようにすれば良いかを中心に思考し活動した。
- 未来技術推進協会の検定を受けるなかで たくさんの事例などを勉強していたが、 ミッションカードにあった内容をみて勉強不足だと感じた。 またミッションカードの中にも 身近なことが沢山あり 考えさせられる内容だった。
- 自分が引いたカードの課題の中で、スマートフォン等のハイテク機器の普及に伴い、レアメタルの需要が高まり、鉱物の産地で紛争が起きているという内容が印象に残った。自分や周りの人がみんな持っていて欠かせないものも紛争に繋がっていることにとても驚いた。
- ミッションカードやイベントカードの内容によって17の目標の達成度が変動したり、1つを解決すると別の課題が出てきたりと考えることが多くて大変だった。 ゲームを進めていく中で達成しやすいカード(課題)は直ぐに達成又は高ポイントまで進めることが出来たが、解決しずらい課題や別の課題が発生するようなカードはなかなか進まず、最後までポイントを獲得することが出来なかった。
- 実際にあった課題やそのほか解決策をボードゲームという形で学ぶことができたが、自分の知らなかった課題などが沢山あった。イベントカードでは天候による影響などもあったので現実でも同じようなことが起きているとわかった。
- この1年間、グローカルの授業でSDGsのことをたくさん学んできたが、このゲームを行なってみてまだ自分が知らなかった問題が沢山あると感じた。ゲームを通じてSDGsに関する問題を自分ごととして捉え効率よく問題を解決するにはどうするべきか班の人とたくさん会話をしながら深く考えることができた。そのため、個人だけではなく企業や団体と協力することで解決できる問題が沢山あると感じた。班員でたくさん協力できたのでパートナーシップを達成することができたのだが、それでも全ての問題を解決することができなかったのは今の状況と同じだと思った。
- SDGsをゲームにすることでわかりやすくなるし実際にある問題がミッションにあり、自分の知らない問題を沢山知ることが出来た。1時間で全ての目標を10までいかせるのは難しくて毎ターン毎ターン周りで意見を出し合って考えた。
- コインやカードを使うことで、一つの目標を達成するためには多大な費用がかかることや、他の目標達成から遠ざかってしまうことが分かった。また実際の事例も学びながらゲームをすることができた。慈善団体やベンチャー企業の役割があったので、どの立場が何をすれば最善なのかみんなで考えて協力することができた。しかし、実際はそんなにうまくいかないだろうと思った。
設問2 ゲーム後の振り返りでの気づきや発見などあれば教えてください。
- SDGsの達成ができた項目が偏っていたこと。最初の位置から動かないものと、達成できたものがあった。自分の会社だけを考えてレベルアップすると問題解決が進みづらくなる。逆に問題解決に力を入れすぎると自分の会社のレベルアップが難しくなった。
- 世界にはたくさんの問題があることを改めて感じた。また今回はボードゲームだったが、現実の世界で考えてみると2030年までに17のゴールを達成するのはとても難しいと思った。私たちの1つ1つの行動からSDGsを意識していかなければならない。
- 利益を考えつつ目標達成を目指していくことはとても難しかった。自己投資ばかりしていれば目標達成がなかなか進まないことがわかった。他にもイベントカードで左右されたり、目標達成をすすめることで環境破壊を起こしてしまったりと、上手く進めるのが難しかった。ボードの時間では5年経過したが、全く進まないゴールも多くあり、今の社会の現状も同様に、改善されたところもあるが、なかなか進まないものも多いではないかと思った。そして目標達成の難しさを感じた。革新的な発明があれば変わるのだろうか?
- 自分が引いたイベントカードの中には、マイナスの内容もあった。多くのコインを所有し、イベントカード等を狙いながら、目標を上げようと思った。今回、SDGsをゲームとしてしてみて楽しいだけではなく、学びも得られ良い経験になった。
- グループの人の感想として「ゲームなので協力してミッションを簡単にクリアすることができる。それが現実の世界になった時に 自分の国の利益やお金などが絡んでくると難しいことだ。」 という意見があり なるほどと思った。やはりSDGsの達成は難しいと思った。
- 一つを頑張ろうとすると、別の項目がなかなか改善されない。また片方の問題が解決できても、もう片方の問題が解決できないなど、ゲームの中で現実を感じることができた。
- 今回はカードを使って社会問題解決を試みながらゲームを進めたので、課題を解決するのに苦労はしなかった。現実社会で解決すると考えると、簡単に解消できるものではないと思った。目標達成は難しく時間もかかるようなものばかりだが、その問題を各国で協力し解消されたら世界は大きく変わると思った。 問題解決に向けて世界の国々が資金や技術を提供し、協力し合うことでより良い社会を作れる気がした。 高校に入ってからSDGsを知りそれらに触れながら生活してきたが、まだまだ知らないことが沢山あり、理解しにくいカードもあったのでもっと勉強する必要があると思った。吸収したことを自分の生活と関連させたり、他の人と共有していかなければならないと感じた。
- ミッションカードを達成するために、大企業の役割の人が色んな人と協力しており、実際に現実で考えると出費だけが大きくなって取り分がないのではないかと考えた。
- ゲーム中は何かの問題を解決しようとすると別の問題がマイナスになってしまったり、資金が足りなくて解決したくてもできないと感じることが多かった。解決するのが難しい問題は、解決しやすい小さなことから始めていくだけで、良い方向に進むことができること学んだ。これをゲームだけに限らず自らが解決できる、もしくは何かの解決につながる行動をすることで、SDGsと関わる良い未来の一歩につながると気づいた。