おきたま脱炭素 未来ワークショップ
日時:令和3年6月2日(水)・9日(水)・16日(水)
対象:1~3年生
講師:芝浦工業大学 建築学部 教授 栗島英明 氏
芝浦工業大学 工学部 教授 谷田川ルミ 氏
千葉大学大学院社会科学研究院 教授 倉阪秀史 氏
講師:芝浦工業大学 建築学部 教授 栗島英明 氏
芝浦工業大学 工学部 教授 谷田川ルミ 氏
千葉大学大学院社会科学研究院 教授 倉阪秀史 氏
[授業内容]
第1回「事前授業その1 未来の考え方:バックキャスト思考」
栗島英明教授によるバックキャスト思考についての講義。
フォアキャスト思考とバックキャスト思考の違い、SDGsもバックキャスト思考から来ていることを学んだ。
バックキャスト思考の進めた方について学んだ後、バックキャスト思考練習を行った。
コロナ禍という制約の中で楽しむためのアイディアや、「将来の(本当に)なりたい自分」について考え、「なりたい自分」になるために必要な条件・解決しなければならい課題などを、ワークシートに書き込んだ。
実際にワークをすることで、バックキャストの考え方を理解できた。
第2回「事前授業その2 調査の方法」
栗島英明教授と谷田川ルミ教授によるオンラインでの講義。
社会調査とは何か、現地調査(フィールドワーク)の目的や種類、フィールドワークに出る前の事前調査の仕方などについて学んだ。
事前調査で活用できるインターネット地図やウェブページの情報、フィールドワークへ行くための計画立案や心得、記録の仕方など、生徒たちの課題研究でもすぐに活用できる内容を学ぶことができた。
第3回「事前授業:未来のカルテを使って理想の未来を考える」
倉阪秀史教授からバックキャスティング思考を支える未来予測について学んだ。
「未来カルテ」とは「何もしないと何が起こるかについて気付くための予測」であり、望ましい未来とこのままの未来のギャップに気付き、解決のための政策を検討するという内容。
置賜地方の「未来カルテ」を通して、人口、産業、保育・教育、医療・介護、公有財産・道路、エネルギーなどの分野で2015年と2050年の違いを学んだことで、地域の将来を思い描きながら、バックキャスト思考で今から何をすべきか考えるきっかけになった。
【生徒の振り返り・学んだこと】
- 第一次産業の林業などが衰退していて将来公務員が木の伐採を行う日が来るかもしれないという話に驚いた。この間見学したエコハウス椿では、建設のときに出来れば地域の木材を使いたいということだったので林業を生業とする人が居ないと町の振興にも影響ぐ出そうだなと思った。
- 都会は子育てしずらいということと、将来的に20〜24歳の人口が置賜よりも米沢でみた方が多くなるということです。都会の方が子育てのための施設が豊かなイメージがあったけどその分コストがかかるということを知ることができました。
- 米沢市のエネルギーは他の地域からのエネルギーに頼っていると思っていたが、小水力発電やバイオマス発電などエネルギーの地産地消が行われている、という点。
- 僕の理想の置賜地区は、農林などの産業が盛んで、その作ったものが特産品として沢山売れることだったので、その後継者がいないというのは、大きな問題だと思いました。
- 都会より地域の方が道路に費やされる費用が大きくなっていることに驚いた。その原因としてガソリン税があるといっていたがそのガソリン税を道路以外のもっと違うことやものに費やせないのか疑問に思った。
- このままいくと農業や林業、漁業のような一次産業従事者が減っていっていくというお話を聞いて未来的に日本の食料自給率が0%になると思いました。そうすると食料は海外に頼りきりになってしまうので海外の食料品に経済が左右されてしまったりするのかと思いました。また日本は輸入しないと食料がなくなってしまうので貿易国に言いなりになってしまうということもあり得るのではないかと思いました。私は置賜はまだまだ農業が続くだろうと予想していたので想定外の結果で危機感を持つことが出来ました。
- 人口は減り続けるが道路は増える、という事実に驚きました。 人口減少により税収も増えにくくなる中、道路を整備する資金は増え続けるという話は今まで聞いたことがありませんでした。交通整備の金だけあっても利用する人がいなければ意味を成さないし、街をコンパクトにしなければそれだけ無駄な出費になってしまうので何とかしないといけないなと感じました。 人口減少による税収の低下で交通整備の資金がないのだとずっと思っていたけれど今日のワークショップを聞いてそんなことはなかったので、その資金を上手く利用してコンパクトでより良い街に米沢もなって欲しいと思いました。
- 1人の女性が2人+α以上の子供を産む必要があると聞いて今はまだ1.07人しかいないので女性が子供の産みやすい環境や政策をしていく必要があるとおといました
- 何人かで1人の高齢者を介護するのではなく、介護者1人あたりの負担が増えて4人に1人しか介護が受けられない状況になるという点。高齢化によって将来このような状況になるとは分かっていたけれど、そこまで介護者1人あたりの負担が大きくなると知って驚きました。
- 30年後に人口が減っている想像はしていましたが今の状況だと今の人口の半分になってしまうことに驚きました。理想は人口が減らず市、県が活性化していくことですが、今の状況では厳しいのではないかなと思いました。
- 2050年には置賜・米沢共に半減しているということが想像以上だった。また、都市部は80%を超えていてそれほど減少しないが、出生率は低いということがわかった。つまり社会減が人口減の大きな要因であると思った。社会減が進行する理由として大学で都市部に行き、Uターンしたい環境ではないからだと思う。地方だからこそ存在する再生可能エネルギーのポテンシャルなどの情報を伝え、都市部に住む起業したい人のIターンUターンの目的になればいいと考えた。そうすれば地方の人に雇用の場を提供できるメリットがあると思った。
【その他感想】
- 大きく人口が減少しているという事実をグラフや具体的な数値を見ることで改めて実感しました。 また、小水力発電という水の流れを利用した発電方法があるということを初めて知りました。環境にも良く、山形の山を活かすことができるため、良いと思いました。
- 子供の減少は、デメリットだけかと思ったが子供一人一人に対しての教育が手厚くなる みたいに問題からでもメリットをみつけられるような考え方を学べた。
- 今回新たに知ったことがたくさんあって面白かった。2050年には置賜の人口が45%減ってしまうのは衝撃的だった。そのぐらい減ってしまうと私たちに負担がものすごくかかってしまうと思ったのでそうならないように政策をしていくことが重要だと学んだ。
- 私の住む町もいずれ無くなってしまうところとされているので、人口減少が恐ろしいものだとは知っていたのですが、第一次産業に就く人が少なくなってるのは知っていても、そこから、職の合併がおこり、どんどん世の中が変わっていき、職業の構成も関わっていくかもしれないということが恐ろしいなと思いました。逆に、ポジティブに人口減少により、教育の面では、手厚い教育ができるということで、別に完全に悪くないんだなと知ることが出来、驚きました。これから更に人口減少に対して、考えていきたいです。